その時ちょうど花火が上がり始めた。
だけど、京ちゃんは気にせず続ける。
「京ちゃ……」
「伊都は黙って俺に合わせて。
今リセットしてるところだから」
一度唇を離してそれだけ言うと、また塞がれる。
慣れているのがすごく分かる。
入谷くんもそうだったから。
それを考えるとすごく悲しくなる。
今までどれだけたくさんキスしたんだろう。
どれだけの女の子に優しくしたんだろう。
私も望んだはずなのに。
他の女の子じゃなくて私とって。
でも、いざそうなると私は他の女の子と同じになってしまった。
そんな気がした、
京ちゃんのたった1人の幼なじみ。
それだけで特別なはずだったのに。