……無理?
今確かにそう言った。
ってことは京ちゃんは、私といられないってこと?
それを聞こうと口を開く前に、京ちゃんが先に口を開く。
「なんでか、伊都が入谷と一緒にいるとイライラする。
話してるのを見るだけで腹が立つ。
伊都に触ってたらあいつをぶん殴りたくなる」
京ちゃんの声に怒気が含まれる。
私は思わず肩が上がる。
こんなに感情をむき出しにする京ちゃんはめずらしい。
でも、最近ではよくあることだ。
「伊都が大切だから、俺だけのものにしておきたいのかもしれない。
かわいい妹みたいに大切だからこそ、他のやつには預けたくない」
京ちゃんの手が頬からゆっくりと私の首の後ろに回る。
少しくすぐったくて身をよじる。



