「そんなことない。
俺はずっと伊都に救われてきた。
いつも通り、俺に笑いかけてくれればそれだけで十分だった」
うん。
京ちゃんのためなら笑えるよ。
それなのに、最近は気持ちが抑えきれなくなってた。
伝える勇気もなくて、幼なじみという立場で隣にいられなくなるのが嫌で。
だけど、それを壊したくなった。
幼なじみだけじゃ物足りなくなって、京ちゃんにもっと近づきたくて。
でも、良かった。
私が幼なじみとして京ちゃんといることによって、京ちゃんを少しでも支えられていたのなら。
「京ちゃんのために、私はずっと笑ってるから。
だって幼なじみだもん」
「……うん。でも、俺は無理だ」



