私の頬に京ちゃんの手が添えられる。
その手は少し汗ばんでいた。
「伊都はそんな遊びで付き合えるような女じゃない。
軽い気持ちで触れていい女じゃない。
大切なんだよ。他とは比べものにならないくらい」
「え……?」
「だから伊都は俺なりに大切に関わってきたのに。
なのに、伊都は自分を軽く見た発言するし」
あの時だ。
私が京ちゃんに拒絶された日。
他の女の子と遊ぶくらいなら私がって思った時。
「私はずっと京ちゃんと一緒にいたはずなのに、支えてあげられなかった。
辛い時、何もしてあげられなかった。
昔も今も」
京ちゃんはまだ抜け出せてない。
変な感覚から。
京ちゃんを変えてしまった原因から。



