やっとの思いで、京ちゃんを家の中に入れて、私も自分の家に帰ろうとする。
「じゃあね、京ちゃん」
とにかく京ちゃんが落ち着くように1人にしたほうがいいと思い、すぐに背中を向けると後ろから手が伸びてきて、ドアノブを掴まれる。
そのせいで私はドアノブを掴めなかった。
「京ちゃん……?」
「明後日の祭り、やっぱ2人で行こう」
振り返ると京ちゃんが真剣な瞳で私を見ていた。
前言ったのは、流れでかと思ったけど、今はちゃんと誘ってくれてるんだよね?
「うん!行く」
「じゃあ明後日の17時に呼びに行く」
少しだけ微笑んでくれた京ちゃんは、掴んだままのドアノブを回して開けてくれた。
私は外に出て、振り返り手を振る。
「楽しみにしてるね」
「おう」
なんだか、京ちゃんがおかしかったけど、祭りに誘ってもらえて嬉しいな。
うん、すごく楽しみだ。