私たちに気づいたのか、動きを止めた。


「あれ?志貴じゃん。
何でこんなところに?」


入谷くんに近づいて声をかけるのはひろちゃん。

ついに家にまで来る関係になったんだ……。


胸が痛い。



「お前、今伊都の家から出てきたか?」



京ちゃんが低い声で言いながら、入谷くんに近づく。

3人集まるから、私も思わず駆け寄る。



「そうだけど?」


「手、出すなって言ったよな?」


「京ちゃん!私たちは別に……」


「伊都は黙ってろ」



キツイ口調で言われて、言葉が出なくなる。

京ちゃんは真っ直ぐに入谷くんを見ている。




「え、ちょっと何これぇ?」


「うるさい。早く帰れ」


「ひどいじゃん。さっきまであんなに……」


「帰れ。二度と来んなクソが」