「じゃあ最後に」
「え、まだあるの?」
「えへへ~」
笑いながら、最後に作ったフォンダンショコラを入谷くんの前に出す。
目を見開いて、私を見上げる。
「前にカフェ行った時、ガトーショコラ頼んでたし。
ほら、誕生日もバレンタインだからチョコ好きかなって」
「うん、めっちゃ好き!」
目を輝かせて、大きな口でかぶりついている。
気持ちいいほどの食べっぷり。
あっという間にぺろりと平らげてしまう。
「俺のためにありがとう!」
「どういたしまして。じゃあ、次は入谷くんが教えてくれる番だよ」
「任せろ」
立ち上がった入谷くんと一緒にキッチンに戻って、ラテアートの練習。
入谷くんは本当にしたことあるみたいで、ハイレベルなキャラクターとかも作っていた。



