サラッと言われた言葉に思わずむせる。
そんな私にお茶の入ったコップを差し出してくれて、それを受け取りいっきに飲む。
び、びっくりした……。
ちゃんと言葉で聞いたのは初めてかもしれない。
いや、きっと初めてだ。
「顔真っ赤」
「だって入谷くんがさ……」
「ん?」
優しい瞳で見られて、口ごもる。
調子狂うよ……。
それからは何も言わずにナポリタンをもくもくと食べていた。
皿洗いはあとでまとめてするとして、まずはお菓子作りだ。
「じゃあまずはクッキーからね」
「はーい」
入谷くんと並んでキッチンに立つ。
そして一緒にタネを作っていく。



