そのまま私の家に行き、入谷くんをリビングに通す。
「どっちが京ちゃんの家?」
「黒のほう」
「ふーん」
リビングに入るなり、聞いてきたことにすぐさま答える。
それを興味なさげに受け流すから、聞いた意味あるのかなって思ってしまう。
「そろそろお昼だけど、さきに何か食べる?」
「作ってくれんの?」
「まぁ、お礼……」
材料費払ってもらっちゃったし、荷物まで持ってくれた。
私がさっき持ったら、想像していた以上に重たかった。
あんなのを軽々片手で持っていたなんて。
やっぱり申し訳ない。
「伊都ちゃん食べたいな」
「はい?」
「伊都ちゃんと……」
「もう何も作らない」
「ナポリタン希望します!」



