入谷くんが言うと何か厭らしいんだよね。
なんて思いながら、一緒に校舎を出る。
「あ、ちょっと買い物するね」
「了解」
2人で並んで歩くなんて変な感じ。
入谷くんを見上げると何だかテンションが高い。
あ、そういえば。
「何でさっき私の手、掴んだの?」
「さっき……?
あぁ、あれね。伊都ちゃんの連絡先を他の男に教えたくなかっただけ」
「あ、はい……」
「自分から聞いて何その微妙な反応は!
伊都ちゃんの連絡先見た時、お父さんと京ちゃんしか入ってなかったからさ。
それ以上増やしたくなかったんだよね」
……プライバシーもあったもんじゃないよ。
あの短時間で人の勝手に見過ぎでしょ。
入谷くんにムッとしながらも、帰り道にあるスーパーによって必要なものを買う。



