だから、俺にしとけよ。




「ねぇ、伊都ちゃん。
作り方教えてよ。俺料理とか全然ダメだからさ」


教室から出てすぐに入谷くんに声をかけられる。


調理担当のくせにできないんかーい!

なんて心の中でツッコんでから、考えてみる。




「んー、じゃあウチ来る?」


「へ?伊都ちゃんエッチ」


「もう知らない」


「嘘です!行きます!
行かせてください!!」



急に焦りだす入谷くん。

ほんっと失礼しちゃうよ。


入谷くんがラテアートできるんなら教えてもらいたいなって思っただけなのに。



「じゃあ行こっか」


「まさか伊都ちゃんから家に誘ってくれるとは思わなかった」


「ラテアート教えてもらいたいの」


「もちろん手取り足取り教えますよ」