「俺を利用していいから。 伊都ちゃんの全部を受け止められる自信あるよ」 こんなめんどくさい私を、そうやって救ってくれるんだ。 でも、入谷くんが優しい人って分かってしまったから。 「そんなのできないよ……」 「俺が良いって言ってんのに?」 「うん。できない」 「じゃあ、俺が伊都ちゃんを利用させてもらうね」 「は?」 意味が分かんない。 入谷くんの唐突な言葉はいつも私を悲しみから無理やり引っ張りだす。 「夏休み、暇なんだ。 だから、暇つぶしに付き合ってもらう」