集中していると、急に影が落ちる。
驚いて顔を上げると、メガネの図書委員。
「そろそろ図書室閉めたいんですが」
「えっ?あ、すみません!」
謝ってからすぐに荷物をまとめて、レシピ本を元の位置に返す。
リュックを背負って、図書委員で頭を下げてから図書室を出る。
「すごい集中してたね」
「ついつい。料理やお菓子作り好きなんだ」
「伊都ちゃんの食べてみたい。今から俺ん家……」
「無理」
集中しすぎて疲れたし、ゆっくりしたい。
午後は昼寝かなぁ。
「じゃあ、今から一緒に食べに行こう!
ほら、カフェめぐり!参考になると思うよ」



