だから、俺にしとけよ。




種類はどんなのがいいかな?


クリーム系やフルーツたくさんとかは経費的に厳しいから、パウンドケーキとかクッキーとか。

あ、京ちゃんはプリンが好きだから、プリンは絶対メニューに入れたいな。



こうやって、パウンドケーキやクッキーでも、味や形を変えればオシャレだよね。


スイーツの種類よりも、味の種類を増やした方がよさそう。





「へぇ、これなんか美味そうじゃん」



入谷くんが私の向かいに座って、レシピを指さす。

図書室には図書委員のメガネをかけた男子生徒がカウンターに座ってるだけで、あとは私と入谷くんしかいない。



だから、普段は話しづらい図書室でも、声を小さくすることなく話すことができる。




「こんなの無理だって。
チョコをたくさん使うし、テンパリングも難しいんだよ」


「何それ?
まぁ、伊都ちゃんが作るなら俺はどんなのでもいいけど」


「入谷くんも調理に立候補してたじゃん」