「えぇ」


「相崎さん」


名前を呼ばれて振り返る。

な、何で?



「相崎さんはぜひとも接客に回っていただきたい!」


「お願い!」



あまり話したことがない男子に突然両手を合わせられる。


どうしたらいいか分かんなくて戸惑う。

私の調理は心配……なのかな?


これでも家庭科部なんだけど。

家でも毎日作ってるし。




「こら、伊都ちゃんいじめないの。
ってことで俺も調理行くー!」


「ちょっ!志貴は絶対接客だって」


「稼ぎ頭がいなくなるだろ!」


「そうだよ。お前が前に出なきゃ女子を連れて来れねぇ!」



入谷くんは接客の方が向いてると思う。

それは私も同意見だ。


コクコクと頷く。