引っかかってしまう。
その単語に。
私の言葉に入谷くんはハッとする。
「バレた?
明日会ったらちゅーしようと思ってたのに」
「バカ!」
「仕方ない、ハグに変えよう」
「本当にバカ!入谷くんとは口聞かない!」
「待って、それは勘弁!」
再び私を抱きしめて、入谷くんの腕に閉じ込める。
言った傍からこれだよ……。
「俺が本気ってことが分かってくれれば今はそれでいいから」
「さっきので完全信じられなくなった」
「えー、悲しい」
もういつもの入谷くんに戻ってしまった。
さっきはまるで別人のように真剣だったから。
「クラスメイト。それだけだから」