そうなってしまったのには理由があるんだけど、私には苦痛でしかなかった。
どうにかして京ちゃんの気持ちをラクにしてあげたいと思うけど、私は幼なじみという立場でそばにいることしかできない。
本当はずっと前から……。
「へぇ~、好きなんだ?あいつのこと」
「え!?」
突然真後ろから声が聞こえて、勢いよく振り返る。
そしてすぐにまた京ちゃん達を見るけど、こちらには気づいていないみたいで少しホッとする。
「どうなの?」
私の隣に来て、顔を覗き込んでくる。
同じクラスの入谷志貴(いりや しき)くん。
長身で明るい茶髪を左だけ耳にかけていて、そこからは赤いストーンのピアスが覗いている。



