【紫・長編】「年代記三部作/ナグサ」(スト漫のシナリオ)

られましたか」ニコニコしてるけれども、まだ眠そうだ。

「楽しみです。セツナ様にお目通り願えるのが」本音だ。
「ありがとう」言いながらベーコンエッグを半分に割いてくれた。
コーヒーを侍女から受け取り喉にふくむ。至福のひとときだ。トーストにバターをたっぷり塗り、一口ほおばる。美味である。
草原では米食が主流な為、初めての体験である。
ベーコンエッグをほおばり、コーヒーを飲み終えて、カップを侍女に渡す。
「おかわりはよろしいですか」との問いにイエスと答えナグサの朝食は終わった。
朝9時を過ぎた頃、ようやくセツナに会わせて貰うことが出来た。


セツナの部屋は貢ぎ物で溢れていた。
華花ハナ濃厚な香りが充満している。学習机に向かいながら、アクストルリア語の教師と発音を確かめあってた。
「mikan/未完」「mikan/蜜柑」「アクセントはよろしいです」教師は言った。
「ただいまセツナ」シンラが割って入るとワアッと歓声が沸き上がった。「お兄さま、今までどこをほっつき歩いたのですか」ぷんと拗ねた少女は喜びに満ちあふれた顔で覗き返した。「何言ってるんですか。草原に決まってるでしょう」バツの悪い顔をしてゴホンと咳をはく。