【紫・長編】「年代記三部作／ナグサ」（スト漫のシナリオ）

それでも、心裏腹に別のことをきいてしまう。「シンラの父君と母君は何故亡くなられたのだ」「草原でいざこざがあって父上は死に、母上は後追い自殺」で。
と、ナグサは初めてシンラにとって草原は楽しいところでは無いのだと知った。

「ナグサは母君以外に懇意の中でも」とのシンラに「ああ。母上は知らないんだ」時読みとして英才教育を受けていた彼女は薬師と棒使いと時読みである実父しかよく知らないのだ。
それじゃ王宮の薬師に習えば良いです。棒使いはこちらには無い文化だから、長刀など習えば良いです。との答えにセツナ様のお世話はとのナグサ。「先ずは、アクストルリア語を一緒に学ぶところからです」シンラは気安く言っているが、王宮の言葉でもちんぷんかんぷんなのに、アクストルリア語。大陸第二の土地面積を持つ強大な大国じゃないか。冗談だろう。ナグサが頭をぶんぶんふりかざしたのを見て「アルコール強すぎましたか」とボケたシンラは兄馬鹿なのだとようやく気づくナグサであった。
それと、セツナの前ではカモフラージュは止めよう。と二人で決めた。だから、ナグサはナグサパメラを名乗る事にした。それだけ話しあったところで、早いかなもう夕食の時分だった。箸が使えるナグサは苦労もせず夕食がいただけた。因みにメニューはにぎり寿司だった。腹八分目に抑えて味噌汁を味わった。とてもおいしかったので、大変満足した。

カモフラージュの為、ナグサはシンラと同室で眠る訳だが、昼過ぎからずっとしゃべっててお互い疲れ果てたとこも有りふかふかの布団は二人を簡単に眠りの園へと誘った。

翌日、朝早くからナグサは起きていた。
羅針盤と走行距離や方角と計算して草原からどれだけ外れてるかを知る必要があったからだ。と自分に言い聞かせ羅針盤をナグサは閉じた。

さあいよいよだ。
念願のセツナ様にお目通り願える。
ナグサはターコイズの民族衣装に着替え、シンラが起きるのを待った。「朝はやいね」眠たそうなシンラの声で、自身が待ちわびて催促したのがわかり、顔を赤らめた。
シンラが顔を洗い、着替えを無事済ませたところで始業のベルが鳴り響いた。

侍女達が室内に入って来、寝具の洗濯やら、朝食の準備やらで、わたわたする。本来なら、こういう仕事が与えられるところだったんだろうなとナグサはしみじみ思いながら、朝食を食べる為に、椅子に座った。シンラも向かい側に座る。「おはようございます。昨日はゆっくりお休みになられまし