斉藤さんの手のひらは大きくて少しゴツゴツしてる
そして…
「斉藤さんの手って冷たいですね」
「…………。」
「寒いのですか?」
斉藤さんは手が凄い冷たい
「……いや」
「寒くなくても、体は温めてないと風邪引きますから気をつけて下さいね。」
ぎゅっと私は斉藤さんの手を両手で包み込んだ
「お前も冷たい。」
「…気のせいです」
「お前も気をつけるのだぞ。」
「分かってますよ。」
そう私が返事をした時だった
ビュオオオオオオオ
突如突風が私達の間をすり抜けた
「きゃ…っ」
「大丈夫か?」
「はい。……いっ」
風が止んだと思ったら突然手首が痛み出した
まるで誰かに掴まれたみたいに
「…っ!」
手首にはくっきり手形が残っていた
それを見た斉藤さんは見たこともない形相をしていた
「さ、斉藤さん…?」
「……もう、バレ…か…っ。」
「斉藤さん………?」
斉藤さんは何やら一人で呟いてた
その時の斉藤さんはなぜだか別人に見えた
この時からだったかもしれない
私の周りでおかしなことが多くなったのは………


