それでも貴女が好き㊦



結果_____…、




「二着も良いのですか?」



「あぁ、俺の着物を大切にしろよ。あいつのは捨ててもいいからな。」



「新見さん、黙ってくれませんか?」




結局二人の言い合いは止まらず私は二人に着物を一着ずつ選んで貰うことにした




…欲張り、かな?



でもああでも言わないと二人は収まりそうになかったし




「そうだ、月子今度二人で出掛けないか?」



「新見さんと?」



「あぁ、お前ここらへんの事あまり知らねんだろ。」



「そうですけど、何でですか?」



「だってお前ここ京の訛りはねぇし、あいつらと同じで江戸から来たっぽいしな。」




だから散歩がてら案内してやるよ、と新見さんはお天道様みたいに笑った




「……っ。」




じわり、と心が暖かくなった




胸が痛い




寒くて寒くて暖かくなって嬉しいのに、何故か胸が…心が痛い




「月子、どうしたのだ?」



胸をしきりに抑えてたら斉藤さんに心配をかけてしまった




「…いいえ、なんでもないですよ。」



「ならいいが、なんでもお前1人で溜め込むよな。」



「はい。」




そう言って斉藤さんは私の頭を撫でてくれた



斉藤さんの手はとても冷たかった



けど何故かそれが暖かく私は感じた