それでも貴女が好き㊦



「なんだ、お前達出来てたのか?」



突然後ろで知らない男が現れた



「……っ!!」



驚きのあまり私は斎藤さんの後ろにさっと隠れた




「…新見、さんか。」




「おうよ。お前ら元気か?」



「貴方が来る前はとても元気でした。」



「お前な露骨に嫌な顔するな。」



新見という男は斎藤さんの頭を軽く叩いていた



「…うるさい、ほっとけ。」



「ほっとくかよ。お前いっつも死んだ目をしやがって。」



「……。」



「何かあれば俺に相談しろよ。」



「余計なお世話だ。」



チラリと覗くと新見と目が合った



「よう、元気か?」



「……っ!」



「なんだ、俺のこと覚えてないのか。俺は新見錦だ。宜しくな可愛いお嬢ちゃん。」



「可愛いくなんか…。」



「自身を持て。」



新見さんの目はとても力強いものだった



「けど…、」




「取り込み中やったか?」




私の言葉を遮り店の店主が戻ってきた

…手に色とりどりの着物を持って。




「いや、取り込んでなどいない。」



「そんならええな。ほな、お嬢ちゃんこの着物はどうや?」



まず初めに見せたのが淡い桃色の着物だった