『山南さん、だっけ?山南さんはこんな僕怖くはない?』
「そういうのはもう見慣れてますから…」
『見慣れてる?…それは危ない。』
「え?」
『視えていても視えないフリをする。いい?』
「なんでですか?」
『いいから。じゃないと君は殺されてしまう。』
意味が分からない
『僕が生きていたら奴らを殺していたのにな…。はぁ…』
「奴ら?」
『妖だよ。僕は生前陰陽師だったからね。』
陰陽師?
ふと八木さんが言ってたことを思い出した
ー"亡くなったその男性の方は村人に殺され死んだと私は聞かされましたが、どういった理由でそうなったかは知りませんが…。"
「もしかして、貴方は…___」
「あ、いたいた!山南さーん!!!」
妖と戦ってる最中に殺されたのか、を聞いてみようとしたら誰かに遮られた
「平助君どうしたのですか?」
「どうしたじゃねーって!早く行くぜ!じゃないと、お酒と、ご馳走がなくなる!」
「もう、皆さん集まってるのですか。」
一瞬チラリとあの幽霊に目を向けた
(いない…)
「立ち止まってないで行くぜ!!」
無理やり平助君に引っ張られながら走ると確かに聞こえた
『忠告したから。』
そう、呼びかけるあの声が…


