「斎藤さん…?」




「命に変えてでもお前を守ってみせる。だから、安心しろ。な?」




目が本気だ。




斎藤さんは私のことを命と引き換えに守ると目までもが本気で語ってる





だから頷くことしか出来なかった





(もし、私を守ろうとして死んでしまったら…?)





ー“伊月…返事してよ……お願い…”





「……っ!」





「月?」




「何でも無いです。」




まただ。
こうも他人のことを考えたらあの声が聞こえる


それと同時に、ぽっかりと心が空いたような気がして寂しい気持ちになる。また何かを失ってしまいそうなる気持ちが膨らむ





「………。」



「月、ここにいては体に毒だ。外に行こうか。」




斎藤さんが私に手を差し伸べその手を取る




「何かあったら絶対に俺が守る。それに、俺は簡単には死ぬような男ではない。だから、そんな不安な顔するな。」




優しく私を包み込むように座ったまま抱きしめてきた




「斎藤さん…?」




「…っ!す、すまん。」




彼は無意識にやってたのか私から勢い良く離れて顔を朱に染めてた




「ふふふ。」




その姿がなんだか可愛く見えてしまった




「っほら、行くぞ。」




彼は拗ねたのか怒ったのか、私を強く引っ張り立たせ部屋を勢い良く飛び出した