「それにな、妖とは___」




目がいつもより生き生きしていて妖の事を話す斎藤さん。





(妖が好きなのですね。私も何か好きなことがあればいいのに…。)





斎藤さんだけでない。山南さんは本を読むことが好きと言ってた。それに沖田さんは甘いものには目がない程好きと言ってたし、永倉さんは女子とお酒が好きだって、土方さん言ってたし…





「月?聞いてるのか?」




「え?あ、聞いてなかったです…」




「今日はボーっとしすぎだ。気分入れ替える為に外に出るか?」




「外?……嫌です。」




「…はぁ。いつまでそう駄々をこねているんだ。」




「え?駄々なんかこねてないです。ただ、外が嫌なだけです。」




「…変わってないですね。」




ぼそっと独り言を呟く斎藤さん




「え?」




偶然にも聞いてしまった私は思わず聞き返した




「っ……、…ここに来た時と変わらないなと言ったんだ。」




聞かれるとは思ってなかったのか一瞬だけど斎藤さんは驚いていた




「そうですよね。自分でも変わらなくてはと思っているんですけど、どうしても外は怖くて……。」




「俺がいる。俺がお前を守る。」




そっと斎藤さんは私の手を握った