それでも貴女が好き㊦



「…ふふ。」



気付けば私は笑っていた



「月子さん?」



「…あ、…さ、山南さん、すいません足が竦んでしまって…。」



「え?あ、今起こしますね。」



慌てて山南さんは私を起こしてくれた



「…ん?月子お前毛先が白くないか?」



立った途端永倉さんにそんな事を言われた
直ぐ確認してみたのだが毛先は白くなく真っ黒だった



「白くないですよ。」



「あれ?本当だ。白くない。見間違いだったのか?」



永倉さんは1人ぶつぶつそう呟いてた



「おい、近藤。あの女は誰なんだ?」



「え?いや、あの子はだな…、」



「あいつはここで預かってる女だ。」



「土方が知って近藤は知らんのか。」



土方さんと芹沢さんの間になにやら険悪感が感じられる



「俺の判断ですぐには言わなかったんだ。これから顔合わせで呑みに行くだけだ。近藤さんは悪くない。」



「ほう。なら、わしとも顔合わせをする必要あるよな。おい、女こっちに来い。」



「……っ!」



「来ないならわしが行こうか。」



芹沢さんが歩み寄るその一歩一歩が怖かった



「芹沢さん!そいつに……っつ!!」



佐之さんが芹沢さんの前に出た



「なんだ、貴様は。」



「……っ!」



芹沢さんが睨むと佐之さんは動かなくなってしまった



まるで蛇に睨まれた蛙のように