それでも貴女が好き㊦


「は?永倉と食べたうどん?!」



「あの夜うどんを食べに行ったのですか。」



土方さんは目を見開いて驚いて、山南さんは納得したように頷き反応はそれぞれだった



「うどんじゃ駄目、ですか?」



「駄目じゃない。お前がそこがいいならそこでいい。ただ永倉が女に連れていくのがうどん屋だなんて驚いただけだ。」



「確かにそうですね。」



「…?」



「永倉が女に連れていく所は…、」



「土方さん、その先は駄目ですよ。月子さんに変なこと教えたら駄目ですよ。」



「悪い。ったく、日に日に山南さんは月子の父みたいになってるぞ。」



「父ですか…響きがいいですね。月子さんさえよければ僕の娘になりますか?」



山南さんはニコリと私に笑いかける



「父…?」



「そんなに真に受けないでください。冗談ですよ、冗談。」



「山南さんがこいつを娘にしたい気持ちもよく分かる。」



「え?土方さんも月子さんを娘にしたかったんですか?」



「まぁな、こいつほっとけないしな。」



「その気持ち分からない訳じゃないですけど。なんか嫌ですね。土方さんみたいな女たらしの人が娘がいるとか。」



「俺は女が好きなわけじゃない。勝手に女の方から寄ってくるんだ。」



土方さんと山南さんの話に付いていけなくてどうしようかと戸惑っていると襖が開いて誰かが来た