それでも貴女が好き㊦




その翌日僕は珍しく昼間に目が覚めた




「寝すぎましたね…。」



今までこんなこと無かったのにな、と思いつつ布団から起き上がった




(余程疲れてたんですね…)



ガラ



「あ、山南さんもやっとおきたんだね。良かったよ、はいこれ朝餉だよ。」



「井上さん、わざわざすみません。ありがとうございます」



「いや、いいんだよ。土方さんはいつも通り起きてきたけど、他の皆も山南さんと同じように今起きてきたんだよ。気にしないで、朝餉を食べなさい。」




僕は井上さんが持ってきてくれた朝餉を受け取り食べた




この男は井上源三郎



彼も試衛館の門下生のうちの一人



近藤さんと同い年くらいだけど僕らの面倒も近藤さんたちの面倒も見てくれる方



面倒見がいいだけでなくて剣の腕もかなりのもの



「ご馳走様でした。いつもありがとうございます」



「ははっ、何だい?急に改まって。」



「いえ、これからまたお世話になりますので」



「そんな、私もだよ。こんな私だけどもよろしく頼むよ。あ、山南さん。」



「なんですか?」



「今日は夜皆で飲みに行くんだが、君もどうかね?ま、聞かなくても絶対に来るようにと言われたから。無理強いはしないよ」



「行きます。」



「そうか、分かった。これで皆で揃って行けるね。」



「沖田君も行くのですか?」



確か沖田君はお酒が苦手な筈



「それがだね、近藤さんが飲みに行くのを考えて…って話したら聞かなくても行きます、って答えたよ。」



それなら納得いきますね



沖田君は周りからも本人からも認めるほどの近藤さんっ子