それでも貴女が好き㊦




一人どうしようと悩んでいたら運がいいのか悪いのか土方さんが来た



「山南さんいるかー?」



「ひ、土方さん!助けてください!」



「っ!今すぐ助けるからな!」



ガラッと勢いよく開けられる襖



「どうした……って、何してんだ?」



土方さんは拍子抜けしたのか呆れた顔をこちらに向けていた



「山南さんが何も喋らなくなったんです!」



「はぁ?」



「ど、どどどうしましょう!!私が笑ったりなんかするから…!」



今度は私が焦って慌ててしまう



そんな私を見た土方さんは大きな声で笑った



「ぶっ、ぶわははははははは!!」



「え?」



いきなり笑う土方さんをみて思わず固まってしまった



「ひ、土方さん…?」



「あー…、お腹いてーな。久しぶりにこんなに笑ったな。」



笑い過ぎたのか目に涙を少しためている



「わりぃな、急に笑っちまってよ。山南さんは照れたらいっつもこうなるんだ。まぁ、暫くすると元に戻る。だから、そんなに大事なことにはならないから安心しろ。」



「そうなんですか?良かったです…。」



「まぁ、お前が無事で良かった。ここの隊士は気の荒い連中もいるからな。まぁ、大半は山南さんみたく優しい連中もいるからな。けど、無闇に外に出たりするなよ。外にいたら部屋に連れ込まれるぞ。」



「はい、分かってます。……もしかして、沖田さんって悪い奴、なんですか?」



「はぁ?なんで、お前総司の名前知ってるんだ?…まさか、部屋に連れ込まれたのか?!」



「今朝、気づいたら沖田さんが目の前にいて…、」