「…んー!」



永倉さんが私の代わりに話してくれた時急に眠気が襲い寝てしまった



背伸びと同時に起き上がると視線がこちらに向かってることに気がついた



咄嗟に起き上がって山南さんの背に隠れた



「……!」



「月子さん、大丈夫ですよ。」



山南さんはそう優しく言ったが私はどうしても怖かった



「…怖いです。」



「大丈夫ですから、ね?」



嘘のない山南さんの笑顔に押されて恐る恐る顔を出した



「……。」



「俺は、原田佐之助だ。出来れば佐之って呼んでくれよ。」



「さ、佐之さん…?」



「そうだ。」



佐之さんは山南さんとは違う感じで微笑んだ



なんて言ったらいいんだろ



確か…色男?



なんか色気…が他の人と比べてすごいある、と思う



一人納得しているとじっと睨まれた



「あの…?」



「…っ!」



声をかけると目をそらされた



すると佐之さんがその人の頭を思いっきり叩いた



「いた!!」



「平助も挨拶しろ。全く女が苦手とかお前男としてありえないからな。」



「な!佐之さんそんなこというなよ!」



目の前で二人は言い合いを始めた



私はどうしたらいいのかわからなくて山南さんを見た



山南さんは呆れたかのようにため息をつき手をパンパンと叩いた



「お二人共やめなさい。月子さんが困ってるのが分からないのですか?」



「けどよ、佐之さんが…!」



「言い訳ですか?」



「……。ごめんなさい。」



「僕ではなくて月子さんに言いなさい。」



「…月子、ごめん。」



「……、い、いいですよ。」



顔を少し覗かせながらそう告げた