それでも貴女が好き㊦



「はぁ…」



「永倉さん、いつになったら僕を離してくれるんですか?」



「黙ってろ。ここで離したらお前はどこかに行くだろ。」



「まぁ、それもそうですね。」



「総司、おまえなぁ…(総司がコレだから土方さん相当苦労してるな。)。」



「山南さんに嫉妬するなんて永倉さんは馬鹿ですね。」



「は?」



「何でもないですよ。ただの独り言ですから。よっと!」



総司は俺の手から離れると俺を通り越した



「ちょ、総司!」



「さっさと行きますよ。もたもたしてたらあの人手なしにグチグチ言われるんですから。」



スタスタと総司はいつの間に持ってきた鉢金と羽織を身に纏う



「あ、やべ。羽織やら刀を忘れてた。総司、お前先に門に行っててくれ。」



「はいはーい。」



俺は総司に背を向けると自分の部屋へと急いで戻った



その途中斎藤とすれ違った



「よ!」



「……おはようございます。」



斎藤は何時もの朝のように機嫌がどこか悪かった



(斎藤は本当に朝が弱いんだな。)



なんて呑気に考えてたら派手に転けた



「いたた…。」



「…大丈夫ですか。」



「あぁ、恥ずかしいところ見せちまったな。ガハハハハ。」



「それはまぁ、転びますよね。」



「え?」



「いえ、何でもないですよ。」



斎藤は意味深な言葉を呟きどこかに行った



ぼーっと見ていると不意に我に返った



「あ、巡察に遅れちまう!」



斎藤の言葉を理解するより巡察に遅れたことが土方さんにバレたら怖くなることが勝って慌てた