咄嗟に手を伸ばしたが叶わず月子は硬い床に叩きつけられるように落ちてしまった




ドシンッ



「うっ……っ。」



痛みで我に返ったのか、目が覚めたのか分からないが月子は起きた




「月子、大丈夫か?!」



「……?は、はい。」



月子に近付いて背中を摩ってやる



「な、永倉さん?」



「痛くはないか?」



「…特には。」



「月子さん、もしかして寝てたんですか?」



「はい…。」



「駄目じゃないですか。ちゃんとしがみついてないと、今みたいに落ちますよ。」



「ごめんなさい…」




(なんか親子みたい…。)



なんてぼけっと考えてると肝心な事を忘れてしまいそうだった



「月子、さっきまで本当に寝てたのか?」



「…はい。そうです。」



泳いでない目をこちらに向けて言った



「そうか。」



嘘をついているようには見えなかったからそれ以上のことは言えなかった




「さ、ここでゆっくりしてたら寝ていた方たちがこちらに来るかも知れないですし、さっさと行きましょう。」



「はい。」



「そうだな。」



俺はまだ疑問を芽生えさせたまま立ち上がりその場から離れた




(また明日にでも聞こうか。)




今夜は諦めてまた明日聞くことにした