賑わう京の町から遠く離れたところに僕らがこれから住むところがある



「おい、近藤よ。」



先頭を歩いていた芹沢鴨は近藤さんに尋ねた




この人は正真正銘の武家の者



芹沢さんが引き連れて歩いていた者達も僕ら田舎者とは違う者達



まぁざっというと



僕ら試衛館の者達は近藤派
反して水戸藩出身の芹沢さんは芹沢派



と大きく二つに分かれてしまった



僕らはどうして出会ったのか分からない



だけど僕らは清河八郎という男に寄ってここ京に来たことは同じだ




「俺達はこの前川邸を使う。お前らは八木邸でも使え。」




「え?ちょ、芹沢さん……って、もう行ってしまったか。」




芹沢さんは近藤さんの答えを待たずにさっさと前川邸という屋敷の中に入って行った




「ちっ、芹沢さんとは絶対せりが合わねぇ。胸糞悪りぃな…」




「まぁまぁ、トシも皆もそんなに暗い顔をしてはこれからやっていけないぞ。今日はもう各自でゆっくりするといい。」



近藤さんは柔らかな笑みを浮かべて僕らに微笑んだ




僕らは近藤さんに甘えることにして部屋を決めて後は各自でゆっくりすることにした