それでも貴女が好き㊦



(変なの…。)




ぼーっと二人を眺めているとトントンと肩を叩かれた




「何ですか?」




「少し外に出てみませんか?何か少しだけでも記憶を思い出せれるかも知れませんよ?」




「……嫌。」




「ずっとここいるつもりですか?図々しいにも程がありますよ?」




(この人見かけによらず結構思ったこと言うのね。)




「聞いてますか?」



「えぇ、聞いてますよ。」



「なら、外に…、」



「外は嫌!!絶対に私は外に出ない!!」



大きな声に驚いていたのか騒がしかった土方さんと永倉さんは止まって私の方を見た



「お前もしかして人嫌いなのか?」



「…知らない。けど、外は嫌なんです…。どうしてもって言うんだったら夜にして…お願い……。」



「そうか。でも、ここに閉じこもっておくだけじゃ息苦しいだろ?ま、無理強いはしないぜ。今夜だけでも外に出てみろ。連れてってやるから、な?」




永倉さんが落ち着かせるようにゆっくりと私に告げた




「…嫌、と言ったら?」



「俺の言う事を聞いてもらうしかねぇな。」



「何ですか、ふざけないで下さい。」



「ふざけてなんかない。」



さっきまでヘラヘラ笑っていた永倉さんだけど、急に真剣な顔になるから驚いた