「……っ!」



目を覚ますと先程の三人が目の前にいた



「やっと起きたか…。ったく、何事かと思うから。」



「まぁまぁ、土方さん。この子はいきなりここに連れてこられて驚いてしまったんですよ。」



「いきなり目の前で倒れられたのは流石にこっちも驚いたぜ。」



布団を深く被り恐る恐る尋ねる



「…誰?」



「はぁ?まずは…、」



「僕は山南敬介です。」



「俺は永倉新八だ。」



「…っち。俺は土方歳三だ。で、お前は?」



「待ってくれますか…。名前…覚えますので…」



えっと、左から土方歳三、山南敬介、永倉新八…



(せめて名前だけでも覚えて置かないと)



怖いのに嫌いなのに名前を言われたら覚えないと、ってないる



何故か知らないけど



「…覚え、ました。」



ちらりと顔を先程よりも出してそう告げた



「で、お前は?」



「私は……。」



あれ?



私って、名前…なんだっけ



そもそも私ってなんでここにいるのかしら…



「分からないです………。」



「覚えていないのですか?貴女は寺に倒れていたのですよ。」



知らないと首を横に振る



「……。」



「じゃあ、名前は?」




「……。」



「…記憶はどこまでありますか?」



「……。」



何度も何度も首を横に振る



「困りましたね。土方さんどうしましょうか。」



「様子見だ。その間はこいつをお前らの部屋に寝かせろ。昨夜俺が言ったこと覚えてるだろ?」




「責任を持って世話しろ、ってことか?土方さん。」



「分かってるならさっさと連れていけ。山南さんはこいつの握り飯を作ってやってくれ。何も食べてないからな。」




「えぇ、分かりました。永倉君は先に僕の部屋に行っててください。」



「あいよー。ほら、行くぞ。」



永倉…さんは私を無理やり布団から連れ出すと強引に手を引っ張られた。