ー『起きて。』




誰?



私の頭に凄く響き渡るように誰かの声が聞こえる



この声は知らないけど知ってる



何処か懐かしくて涙が出てきそうなほど苦しかった



ー『起きて。』



また聞こえた




私はその声を振り払うように起き上がった



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__________




「起きろ!」



「……」



「起きてるんだろ?!!」



違う声が私の耳元で叫んでる



「……っ!」



声が大きくて驚いて飛び跳ねるように起き上がった



「やっと起きたか。」



「……!」



ここは…どこ?



あたりを見回すと一人の男が目の前にいた



「おい、まだ寝ぼけてるのか?」



一人の男が私に近づく



その時とてつもない悪寒が走った



「嫌っ!!」



そいつを勢いよく押し飛ばした



そいつは派手な音を立てて倒れた



「いたたっ…」



「……助けて、怖い…」



よく分からないけど凄い怖い



怖すぎて震えが止まらない



「大丈夫だ、俺は何もしないから。」



男は頭を撫でようと私に手を差し伸べてきた



「……!」



その瞬間とてつもない吐き気に襲われた



「うっ…っ、」



「吐くのか?!ちょ、ちょっと待ってろよ!」



男は私に背を向けて何かを探し始めた



私はその隙に立ち上がってここから抜け出した



バタン



「土方さん、昨夜の事…、うわっ!!」



障子を開けたら男がさらに二人いた



「……!」



驚きと恐怖で私は意識を失った



次に目を覚ました時にも同じ場所で寝かされていた