「……_______か?」




「……______。」




何処からか話声が聞こえる




キョロキョロとあたりを見回していると隣にいた平助君は不思議そうな顔をした




「どうしたんだ?山南さん」




「平助君は聞こえないのですか?」




「え?何が??もしかして敵襲か?!!なら、この刀で…、っいだ!」




「無闇に鞘から抜くな、この馬鹿が。山南さんも突っ立てないでさっさといくぞ」




「え、あ、はい。」




僕は気になる声を頭から振りほどいて土方さんらに着いていった












暫く森の中を進むと町へと出た




「やっと着いたのか…疲れたぜ……」



「お前は一々止まって休み過ぎだ、新八。」



「永倉さん、そのまま疲れ切って死んでください」



「おまっ!総司!何を言ってるんだ!俺は、可愛いねーちゃんと共にするまでは死なん!!」



公衆の面前で永倉君は大きな声で宣言をした




そんな永倉君に皆さんは恥ずかしいのか他人のフリをする者もいた




僕はため息を吐いた




(死なない、か…。)




僕は皆さんみたいに差程強くない




だから、一番初めに死にそうな気がする




これは勘だけど…




僕は辺りを見回した




(あ、やっぱりいますね)




僕には誰にも言えない一つの秘密がある




それは、視えてはいけないモノが視えてしまうこと




(向こうに一つ、あちらに三つ、ここには…一つ…ですか)




流石京だけであってたくさんいる




京はソレらの拠点だと聞いたから




怖くは別にないけどただ少し気味が悪い



「山南さん?どうかした?」



「ん?いえ、何もないですよ。さて、行きましょう」



「…?」



少し不審がる平助君を置いて僕は土方さんたちについて行った