「別に欲求不満じゃないから大丈夫だ。ったく、お前らが連れてきたんだからお前らが責任持ってこいつの世話をしてやれよ。」



土方さんはため息をつきながら僕らに言った



「今夜は俺の部屋で寝かせておいやる。わかったら、さっさと自分の部屋に行って寝ろ」



と言われてしまい従うざるをえなくなった



「でも、土方さん!」



「永倉君、今夜は土方さんに従いましょう。」



納得いってない永倉君を宥めた



「そういえば土方さん。コレがこの子の近くに置いてありました。」



そう言って土方さんに見せた



「刀、か。…とりあえずこれもこっちで預かっておく。ほら、さっさと部屋から出ろ。」



「では、失礼します。おやすみなさい土方さん。」



「あぁ。」



僕は永倉君の手を引いて部屋を出た



「山南さん。」



「何ですか?永倉君。」



「大丈夫なんだろうか。」



「土方さんですか?うーん、彼は一度言ったら必ず…、」



「いや、土方さんじゃねぇ。」



「え?」



立ち止まって永倉君に振り返る



「あの綺麗な女子の事だ。」



「土方さんに襲われるか、ですか?」



「いや、違う。何て言ったらいいのか分からねぇがな…、あの女子は傷一つついてなかっただろう?」



「そういえば、そうですね…」



崩れた"何か"の近くに倒れていたというのに不思議と傷は一つも付いてなどいなかった