それでも貴女が好き㊦




ドタドタ



屯所に着くなりとりあえず土方さんの所に行こうと考えた僕らは急いで土方さんのところへと向かった



「こら!夜中に廊下を走んな!!!」



余程騒がしく走ったのか土方さん自ら部屋から出てきた




「土方さん!」



「あ?」



「先程の寺の中で女子が倒れてたので、連れてきたのですが…」



土方さんに永倉君が連れている彼女を見せた



「……!早く部屋に入れて布団に寝かせろ。」



土方さんの部屋を見ると丁度運良く布団が敷いてあった



恐らく土方さんは今から寝ようとしていたのであろう



「でもよ、土方さんの布団が…」



「いいから、とりあえずそいつを寝かせろ。」



永倉君は彼女をそっと布団に寝かせた



僕らは部屋を閉めて彼女に寄った



「……!」



今なら灯りで顔が見える



彼女は死んだように眠っているが、長い黒髪に綺麗な透き通った白い肌に色も形も良い唇が魅力的過ぎて



不覚にも見とれてしまった



僕だけじゃない



永倉君も、あの土方さんでさえも



ぼーっと見とれていた



「……っ!ひ、一先ず今夜は俺の部屋で預かる。」



「いや、今夜だけは土方さんは僕と同じ部屋で寝ましょう」



土方さんは女に興味はなくても手だけは早い



こんなに綺麗な子だったら土方さんは何しでかすか分からない