「うわー…暗いな」
「確かにな。さっきは提灯なくても月明かりで大丈夫な明るさだったが、ここは完全に月明かりが差し込んで来ねぇな…。」
提灯の灯りがなくては入られないくらい暗くて歩けなかった
「ん?あれは何でしょうか。」
寺の中に入って少し奥の方に何かがあった
僕はよく見てみたくてそちらに進んで行った
提灯の灯りでその"何か"を見て見ようとすると
ビュオオオオオオ
と突如激しい風が吹いた
それに驚いたのか僕の方に全速力で走ってきた永倉君にぶつかって思いっきり転けた
ガッシャーン
と、いう大きな音とともに
「いたた…」
「山南さん、すまん。つい驚いて。」
ぶつかってきた当の本人に起こされ落ちた提灯を慌てて拾った
「どうやら火事は防ぎましたね。」
と、ホッとしていると何処からかか弱い声が聞こえた
「う…」
声のした方はどうやら"何か"があった方
「あーーーー!」
"何か"は跡形もなく崩れていた
もしかしてさっきの大きな音ってコレが崩れた音だったんだ
どうしようと一人慌てていると
また声が聞こえた


