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その夜の帰り道
新しく入ってきた隊士達は酔いつぶれて先に帰ってしまい残ったのは試衛館にいた時の皆さんだけ最後まで飲んでた
斎藤君、一人は除いて
彼は新人隊士を引き連れてさっさと帰ってしまった
「飲んだ飲んだー!!」
「だから、夜中に叫ぶなといっているだろ!」
「土方さんも人のこと言えませんよ?」
前の時と同じ流れで僕らは帰っていた
「なぁ、屯所の近くにある寺に行かない??」
ふと平助君は思いついたように言いだした
「それって肝試しかー?」
「いや、そうじゃないんだ」
急に声のトーンが落ちた平助君
不審に思い出した僕らは立ち止まって彼を見た
「なんつーか、気になるんだよなー。ついこの間巡察から帰るときにふと見かけてな。それ以来すっげー、気になるんだよな…」
「こ、ここ怖いこと言うなよー平助の癖に!」
怖いのが苦手なのか永倉君の声は震えていた
「怖いとか気味が悪いとかじゃなくて、ほっとけないようなそんな感情なんだよ。」
彼は考えるように夜空を見上げた
「色で例えるとしたら、青っぽい黒。あの夜空のような色なんだぜ」
彼は夜空を指さした
つられるようにして僕らも夜空を見上げる
満月の光がとても眩しかった
今夜の満月はとても綺麗で吸い込まれそうなくらい魅力的だった
月はとても輝いていたけど空が何処か寂しそうだった
「折角ですし、行ってみましょうよ。」
僕は皆さんに提案した
「僕もなんだか気になって仕方がないですし。」
「近藤さんどうするよ。」
「酔いを覚ますにも散歩したいところだったし、皆で行ってみるか。」
「やったー!これで今日はぐっすり眠れるぜ!」
どうやら平助君は気になって中々眠れなかったようだ


