それでも貴女が好き㊦




「な…なんで……ですか?」



痛みが酷いのかかすれた声で近藤さんを見ていた



「総司、よく聞くんだ。総司だけじゃない、ここにいる全員よく聞くんだ」



静かに近藤さんは語り出した



「トシはな、お前らを元気付けようと思って言った事なんだ。特に総司、お前だ。」



「僕…?」



「お前は清河八郎を暗殺する時初めて人を斬っただろう?」



「……」



「人を斬ってしまった後のお前はずっと部屋に塞ぎこもって大好きな団子どころか、まともに飯を食っていなかったじゃないか。そんなお前を心配してトシは…」



「もういいですよ、近藤さん」



「総司、これはだなお前のことを思っ、」



「土方さんのくせにむかつきますね。」



沖田君は何処か吹っ切れたかのように立ち上がった



「いたたた…。土方さん、殴るの遠慮ないから参っちゃいますね。」



そう微笑む沖田君はいつもの彼だった



そんな沖田君を見た僕らは誰もが同じことを思ったらしく立ち上がった



「近藤さん!俺いい店知ってます!」



「僕は美味しいご飯が出てくる所知ってますよ!」



「ははっ、落ち着いて。これからまだ先が長いのに今夜だけので揉めてたらキリがない。」




近藤さんは笑った



近藤さんに続き僕らも声を上げて笑った