それでも貴女が好き㊦





「やめ!一本、斎藤!勝負あり!!」




勝負は直ぐについた



沖田君が動いた瞬間に斎藤君はすぐさま一本取った



恐らく沖田君は斎藤君だからこそ油断したんでしょう



前より強くなった沖田君は前より強いからと言って油断してしまい、そこを感じ取った斎藤君はキレのいい一本を入れた



「俺は勝ちました。」



「っ。約束は約束です。」



「なら、それは今日はいいです。また別の日に使うとしますよ。」



斎藤君は沖田君に使ってた竹刀を返すと道場を出ていこうとした



「斎藤君、もう帰るのか?」



「えぇ、今日はもう帰ります。では、また明日からよろしくお願いします。」



斎藤君はまた笠を深く被り道場を後にした



「むかつきます。平助、僕の相手してくれますよね?」




「え!?え、ええ?」



「少し気持ちを入れ替えたいので平助で八つ当たり、じゃなくて、平助と練習したいです。…付き合ってくれますよね?」



「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぃ!」



静かだった道場の中が平助君の叫び声で響き渡った