それでも貴女が好き㊦




「似てる……」




ぼそっと斎藤君が呟いたのを僕は聞き逃さなかった




「どうかしました?」




「山南さんが、僕の知りあいと少し似ていたもので」




「知り合いですか。どんな人何ですか?」



「そうですね…。」



斎藤君は深く考えた



その間沈黙が流れた




聞こえるのは二人の足音だけ




「…月のような方です」




斎藤君が悩んで悩んだ挙句そう答えた




「月…?」



「あぁ。…少しお喋りが過ぎました。失礼しました」



「いえ、別にいいのですが。」



斎藤君を見ると無表情で何を考えてるか分からないけど、何処か寂しそうだった



「それはとらないのですか?」



「忘れてました。今取りますよ」



そう言って斎藤さんは被っている笠を取った



僕は思わず足を止めて見惚れてしまった




「……(綺麗な顔立ちですね。)」




言葉を失ってしまいそうなほど斎藤君は綺麗な顔立ちだった



それこそ土方さんと同じようだった



「さ、行きましょう」



「あぁ、そうですね。」



止めてた足を動かし斎藤君を連れて皆さんのところへとむかった