それでも貴女が好き㊦



「ははっ、山南さんは見かけによらずはっきり言う事は言うんだね。あ、そうそう山南さんは斎藤一っていう人はしってるかい?」




「まぁ、少しは。」



「斎藤君って人は明後日にでも私たちの元に着きそうらしいよ。」




「そうなんですね。思ったより早いですね。」




「斎藤君は歩くのが早い、とは聞くぐらいだからね」




その後僕は井上さんと宴が終わる最後まで話した




その夜の帰り道



「あー、飲んだ飲んだ!」



「お前は飲み過ぎた新八。少しはさ自重して飲めよ馬鹿」



「まぁまぁ、原田君いいじゃないですか。京のお酒は美味しいっていいますから。」



「山南さんは優しいなー!!」



「僕はそういう趣味ないので抱き着かないで下さい」



永倉君が抱きついてくるのを拒んだ



まぁ、当然ですけど



「ひでーよ、山南さん…。」



「お前な、普通男同士で抱き着かないだろ?」



「まぁまぁ、しんぱっつあん。この俺様が慰めてやるぜ!」



「嬉しくねぇー…」



「なんだとー?!コノヤロー!!」



夜中にも関わらず二人は元気な様子を見ると不思議だと思う



「うるせぇぞ!てめぇら!夜中だろうが!!!」



「……一番うるさいのは土方さんですよ。騒がしいですね、近藤さん。」



「うん、そうだな。」



「騒がしいのは嫌にならないんですか?」



「わしはお前達だからこそ嫌にはならない。寧ろ、こうしてまた皆と共に騒げるなんてこれ以上嬉しいことは無い」



近藤さんの言葉を聞いた皆さんは各々静かに立ち止まって耳を傾けた



勿論この僕も



「これから大変だと思う。悲しいことも辛いことだってある。その都度皆で乗り越えていけばわしらはやっていける。皆はこれからもわしに付いてきてくれるか?」



近藤さんが皆さんに呼びかける



(そんなの考えなくたって答えは決まってる)



仙台藩から脱藩した身の僕を暖かく受け入れてくれたのは近藤さん



僕はこの人についていきたいと思った