それを恋だと自覚して、あたしの毎日は少しずつ変わりつつあった。 前は目をそらしていた片思いという言葉。 雑誌の占いのページに書いてある恋愛運。 街をゆく黒いリュックを背負った彼に似た後ろ姿。 すべて、前より楽に受け止めることができるようになったのだ。 人を好きになってもいいと思うことで見えてきた世界。 人を好きだと認めることで軽くなる心。 麻奈美のあの言葉は、あたしに大きな影響を与えてくれた。