それは紛れもない事実だった。 あたしはまだその事実を受け止めきれず、振り返ったままの姿で固まってしまう。 昨日、雑貨屋で会った人。 彼女にピンク色のネックレスを買っていた人。 あたしが――少しかっこいいと思った人。 「び…びっくりした…」 あたしはそう言って小さく頷いて、長身の彼に視線を合わせるように一歩後ろに下がった。