「おはよ」 あたしも挨拶を返して、自分の席に着いた。 「そういえば聞いて聞いて」 麻奈美が金髪の髪をかきあげて、あたしの席の近くに来た。 ほんのり香水の香りがして、あたしは顔を上げた。 「あたし、気になる人ができたんだよ!」 そう言った麻奈美の表情は、完全に乙女の表情だった。 あたしも麻奈美も彼氏ナシ、好きな人もナシだったから、そういう話を聞くのは久しぶりだった。