あたしはそれから先輩たちと少し間隔を開けてから下校した。 校舎を出て歩きながら、あたしはひとり夕暮れに染まった空を見上げた。 異学年交流授業も、放課後黒瀬先輩と話せたのも。 どっちも今日起こった出来事なのに、その時感じた感情は違った。 ――でもその理由は、本当は分かってる。 異学年交流授業の時は、本当に何も知らなかった。 その時初めて知ったのは、黒瀬先輩の名前くらいで。