「まぁ、いいよ!」



凪がどこからだしたのか紙とペンを受け取り、
ササっとサインを書いて渡した。



「ありがとうございます!」



「いえいえ」



「あ、あの…私に書いてもらえませんか!そ、そ、そその…サインっ!!!」



「え…僕にですか?」



「はいぃぃ!」



「なんでですか」



凪は相当嫌な顔をして言った。



「ああああの、ハッカーの『王子』ですよね!!」



「な、なんで知ってるんですか!?」



「調べたんです!」



「そんなはずは…そんじょそこらの
素人ではでてこないはずですが…」



「凪、雨里は世界No. 1の『黒姫』だよ」



「く、黒姫!?」



「はい!そうです!私、ハッキングの世界で
自分で言うのも何ですが敵う人がいなくてつまらなかったんです。


でも、『王子』というハッカーが
ハッキングの世界に現れた!


その人の事をしらべようと試みましたが、分かるのは『光華』にいるという事だけ。


私は一度、自分と互角にある
力の人と会ってみたかったんです!」



「そうだったんですか…すいません。冷たい態度をとってしまって」



「全然気にしてないから大丈夫です!」



「そうですか、ありがとうございます」



「あの〜、2人がいい雰囲気になっているところ申し訳ありませんが俺の事を忘れてませんか!?」



「あ、そうだった〜。ごめんね冷樹君」



「未来さん、雷樹ですよ〜(泣)」



「あぁ〜、ごめん雷樹。こいつは、『不死蝶』の副総長の風島雷樹」



「ごめんなさい、雷樹さん」



「あ!いえ!」



「雷樹、敬語やめてよ、きもい」



「ひでえ〜!来魅華のバカァ––––!」



「あははっ!嘘だよ」



「馬鹿にすんなぁ〜」



この時間が楽しい。


皆といる…この時が。



でも、この時間を自分で壊すという事も私はまだ知らない。